平岡篤頼『記号の霙』

以前、アラン・ロブ=グリエの訃報との関連で少し触れた、故平岡篤頼先生の遺稿集『記号の霙』が早稲田文学会&太田出版から発売になりました。

記号の霙 井伏鱒二から小沼丹まで (WASEDA bungaku Classic)

記号の霙 井伏鱒二から小沼丹まで (WASEDA bungaku Classic)

日本最古の文芸誌「早稲田文学」の責任編集者として、また早稲田大学文芸科の創始者のひとりとして、重松清堀江敏幸小川洋子角田光代らを教え育てた平岡篤頼。みずからも芥川賞候補作家として、クロード・シモンロブ=グリエヌーヴォー・ロマンの翻訳者として、江藤淳と「フォニー論争」を展開した批評家として、マルチに活躍した男の、逝去直前に構想していた最後の批評集。
■著者紹介
平岡篤頼(ひらおか・とくよし)
1929年−2005年 気鋭のフランス文学者として日本に「ヌーヴォー・ロマン」を紹介、翻訳するとともに、「消えた煙突」で芥川賞候補となる。文芸批評家としても活躍。(太田出版のサイトより、一部改変アリ)

そして解説は堀江敏幸先生が書かれています(オビで重松清さんが、堀江先生の解説に感嘆されてます)。目次はこんな感じ。ちなみに助手はこの本を読んで井伏と森敦の面白さに開眼させられました。

井伏鱒二覚書
・物語の氾濫
・記号の霙
・無類のひと
▽森敦をめぐって
・《壁抜け》の忍法
・反思想的な思想
武田泰淳について
宇宙論アイロニー
小島信夫について
小島信夫のカッコのわるさ
吉行淳之介をめぐって
・敵としての健康者
・『鬱の一年』
安部公房をめぐって
・“前衛”の意味
・『箱男』と『密会』
・夢人間の終末図――『方舟さくら丸』
・股裂きにあった《小説》――『飛ぶ男』
小沼丹について
・温かい懐疑派
▼解説
・解けない霙――平岡篤頼先生に  堀江敏幸

山椒魚・遙拝隊長 他7編 (岩波文庫 緑 77-1)

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月山・鳥海山 (文春文庫 も 2-1)

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