ヴィジョンズ・オブ・アメリカ

現在、恵比寿の東京都写真美術館では「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」としてアメリカの写真の総合的な展覧会が行われています。第一部は既に終了してしまいましたが、第二部は19日(日)まで、第三部は25日(土)からです。巨大な「アメリカ」がどういう面を持っているのかを考えさせられる展覧会になっていると思います。

写真初期から現在にいたるまで、特に20世紀においては世界の写真表現をリードした国・アメリカ。そこは、同国籍の作家はもちろん、ヨーロッパやアジアの作家にとっても重要な創造の「場」であり、「対象」でもありました。
東京都写真美術館コレクション展「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」は、19世紀のダゲレオタイプから現代に至るまで「アメリカ」という場の中から生み出された多種多様な表現を持つ作品を、時代によって3つのパートに分けて展示。アメリカ人以外の作家も含めて、アメリカという「場」を考えることによって、これまでになかった写真/写真史におけるアメリカの意味を問い直すことをめざしています。また、そこには、アメリカの建国以来の歴史が見て取れるだけではなく、「グローバル/ローカル」といったアメリカ文化がもつ重層性が見えてくるのではないでしょうか。さらに、日本人にとってなじみのある作品や写真家を多数ご紹介できる機会でもあり、写真ファンならずとも広く楽しめる展覧会です。