乙女のイコン展

中原淳一・画『少女の友』

本郷の弥生美術館では、「乙女のイコン展〜大正・昭和の雑誌に見る少女画のイコノグラフィー〜」展が開催されています。とはいえ28日の日曜までなのであと2日間しかありませんが…乙女系?が好きな方はどうぞ。

 近年、当弥生美術館は、乙女の聖地、乙女の殿堂と称されることが多くなりました。それはなぜでしょうか?
当館は、高畠華宵蕗谷虹児、加藤まさを、中原淳一などが描く、抒情画と呼ばれる少女画を多数所蔵しております。大正〜昭和期の少女雑誌の表紙・口絵・挿絵などに描かれたその少女画は、当時の乙女達を魅了し、イコンにおけるマリア像のように聖化され、愛されました。
 潤んだような大きな瞳、花びらのように愛らしい唇、時にはかなく可憐に、時に艶やかに描かれた美しい少女達。大正ロマンと昭和モダンを表出したその少女画は、数十年を経た現代の乙女達をも魅了し、心ときめかせています。
 本展では、竹久夢二に始まる大正〜昭和期の挿絵画家の作品から、少女雑誌に花開いた乙女達にとってのイコン(少女画)の魅力をご紹介いたします。
 また、イコンとして昇華された各画家の少女画の特徴を図像学(イコノグラフィ)的にとり上げ、社会的・文化的背景を見つめながら大正・昭和期の乙女像を浮き彫りにいたします。