『文字の都市 世界の文学・文化の現在10講』

論系教員の小沼純一先生が少し前に出た『文字の都市 世界の文学・文化の現在10講』(柴田元幸編著)の中で、「音楽に魅せられる時」という章を書かれています。

文字の都市―世界の文学・文化の現在10講

文字の都市―世界の文学・文化の現在10講

柴田元幸氏と沼野充義氏による、東大文学部「多分野交流演習」から生まれた講義集とのこと。「asahi.com」では、鴻巣友季子氏による次のような書評が載っています。

「『魅せられる』ことからはじまる」と帯コピーにあるが、それを最も鮮明に感じさせるのは小沼純一氏の講義だ。コリン・マクフィーなるカナダ人音楽家が、バリ島のガムランに惹(ひ)かれた経緯とその生涯をたどる。その中でマクフィーを起点に、アルトーストコフスキー阿部知二、カナダの作家アトウッドらの“足跡”が交わり、歴史的な文化の交差点の風景が描きだされていくさまは、まさに壮観。何かに魅せられた芸術家には、研究者には、それぞれ何ができるのか? 著者の真摯(しんし)な問いかけには、分野を超えて創造の根幹に迫る声が響く。

文学や音楽に魅せられることからはじまる、世界への彷徨。本書はきっとそのためのよき入り口となってくれることでしょう。